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弁護士の日記帳

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事務所の風景⑦

アップし忘れていた写真が見つかりました。

 

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自民党躍進の立役者は誰?

第46回衆院選は、自民党が294議席を獲得して圧勝、民主党は57議席しか取れずに惨敗という結果になりました。

自公の連立政権で、衆議院の3分の2以上の325議席を占め、法案が参議院で否決されても、衆議院で再可決して成立させることが可能です。

決められない政治から脱却し、実効性ある景気対策が進むことを期待します。

 

自民党の圧勝の理由について、民主党政権に対する失望、国政において実績のない第3極への不安などが語られています。

 

では、自民党の躍進に最も貢献したのは誰でしょうか。

私は、小沢一郎さんに違いないと考えています。

自民党幹事長も務めた大物政治家。

自民党を離党して新生党を設立し、その後合流した新進党をぶっ壊したかと思えば、今度は民主党の内部分裂を引き起こして党内のゴタゴタを演出、挙げ句、国民の声が第一を立ち上げた後に日本未来の党に合流し、多くの同志を今回の選挙で失いました。

結果的に、ことごとく自民党の敵対勢力を崩壊へと導いているのです。

まさに壊し屋の面目躍如といったところです。

 

「グレート・リセット」の見本を示してくれているのかもしれません。

今回の選挙で、「一度ぶっ壊して、新たに創り直す」などというフレーズを使う政党がありましたが、意図とは反対の結果を生じさせかねない危険な発想だと思います。

 

政治家の評価は歴史が決めることなのでしょうが、小沢一郎さんが、この時代においてひときわ存在感のある大物政治家であったと評価されることだけは間違いないと思います。

(横井盛也)

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名演説と独裁者

ヒットラー政権が民衆の圧倒的な支持の下で生まれ、ドイツ国民の多くがその誕生に欣喜雀躍し、明るい未来に酔いしれたことは、紛れもない歴史的事実です。そして、ユダヤ人を迫害し、ホロコーストに及んだこともまた事実です。

独裁政権は、移ろいやすい民意の下で民主的、合法的に生まれるのです。

そして、熱しやすい世論に支えられて持ち前の実行力を発揮し、ますます民衆の熱狂を高めていきます。

人は周りの環境に影響されやすいものです。

催眠状態に陥った大衆の総意ほど危険なものはありません。

 

民主主義は実に面倒臭く、大衆の支持を得た独裁の方が、革命的な社会変革が容易です。

しかし、大衆に媚びることなく専門的知見を尊重し、少数意見にも配慮しながら歴史や伝統を尊重して着実に漸進させることは大切なことで、そのプロセスを経ずして明るい未来は訪れないと思います。

一度ぶっ壊して新たな日本を創るなどといったコンピューターゲームのリセット機能のような発想に期待を抱くことは危険です。

 

もうすぐ衆議院選挙。

人心をくすぐる過剰な熱量を放った名演説、現実を直視せずバラ色の夢だけを語ったマニュフェストに欺かれないよう細心の注意が必要です。

 

これまでの独裁者は、みな名演説で知られています。

ヒットラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東しかり。

現状を嘆き、心に残るキャッチコピーで人の心をつかみ、ともに未来を切り開こうと夢と希望を熱く語ります。

 

ヒットラー曰く、「我々の国は衰退していく一方だ。」、「我々自身が、ドイツ民族を、その勤勉と決断と誇りと屈強さによって繁栄させよう。」、「自由と幸福は、突然天から降ってはこない。」、「ドイツは今、覚醒したのだ。」、「ドイツ国民よ、我々に4年の歳月を与えよ!」、「世界制覇か滅亡か」。

そして権力を握るや民意を武器に、政敵を容赦なく排除し、全権委任法により文字通り全権を掌握するに至るのです。

 

「今このまま放っておいたら日本は沈没する。」と必要以上に危機感を煽り、「明治維新以来だれもやったことのないこと。今の日本の仕組み、日本の体制を変える。」などといった耳触りのよい甘言で人の心を引きつける演説には、危険な魔力が潜んでいるような気がしてなりません。

私は、たとえ媚びも色気も素っ気もない演説であっても、国の将来を真摯に見据えた候補者に一票を入れたいと考えています。

(横井盛也)

 

PS

①   私は、特定の政党と関係を有する者ではなく、無党派層と自認しています。

②   いかなる思想信条の方であっても、分け隔てなく仕事をさせていただいております。弁護士業務は政治と一線を画するべきであると考えております。

③   ヒットラー演説の訳につきましては、「独裁者の最強スピーチ術」(川上哲也著・星海社)を参考にさせていただきました。

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