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弁護士の日記帳

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侍ジャパンより強い阪神タイガース。今年こそ優勝!

WBCの日本代表「侍ジャパン」の強化試合で、阪神が0-1で完封勝ち。

阪神の底力を見せつけてくれた試合でした。

「侍ジャパン」は、メッセンジャー、白仁田、川崎、伊藤和の継投(メッセを除けば無名投手)の前に散発3安打。

これで世界と戦えるのでしょうか。不安です。

超一級の面子を揃えているのですから、WBC本番では奮起し、”世界”を撃破してもらいたいものです。

 

私は阪神ファンですが、まさか日本代表に勝てるとは思っていませんでした。嬉しい誤算です。

今年の阪神には期待が持てます。

 

「侍ジャパン」にもまさる戦力を揃えていることが明らかになった阪神ですが、確実に優勝するためには灼熱の夏場を乗り切るための戦略が必要です。

ドーム球場を本拠地とする巨人や中日に対し、体力消耗や疲労蓄積の点においてハンディを背負っています。

夏場は試合前の練習を禁止し試合開始直前まで冷房の効いた部屋で休息するなどの思い切った手が必要です。

試合前にちょっとやそっと練習したくらいで大した効果はありません。

それより体力温存です。

あと、疲労回復力のある若手をどんどん起用すること。足を絡めた作戦を多用すること。負け試合は捨てて勝てる試合を確実に勝つこと。ホームランを量産すること等々。

 

なにはともあれ、今年こそ阪神優勝! 和田さん頼んまっせ!

(横井盛也)
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明石歩道橋事故 免訴判決について思うこと

兵庫県明石市の歩道橋事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された明石署元副署長を免訴とした神戸地裁の判決に対し、指定弁護士が控訴したとのことです。

 

刑事訴訟法337条 【免訴の判決】 左の場合には、判決で免訴の判決をしなければならない。①確定判決を経たとき。… ④時効が完成したとき。

この条文に該当する場合には、そもそも起訴されないため、免訴判決なんて滅多にお目にかかれるものではありません。

 

免訴判決に至るような起訴を強制した検察審査会の強制起訴制度そのものに疑問を感じますし、また、控訴審で破棄される明確な見通しもないと思われるのに検察官役の指定弁護士が控訴したことについても疑問を感じます。

が、それにもまして疑問を感じるのが、裁判の経緯についてです。

 

元副署長は、事故から約9年後の平成22年4月に強制起訴され、公判前整理手続に付された後、平成23年1月に初公判が開かれ、19回の公判期日を経て判決に至ったとのこと。公判では16人の証人尋問と被告人質問が行われたと報じられています。

 

免訴判決を下すのに、なぜこれだけの審理が必要だったのでしょうか。

そもそも免訴の趣旨は、刑を科されることがないにもかかわらず起訴された被告人を早期に裁判から解放し救済することにあるはずです。

そうだとすれば免訴事由(時効成立)の存否、つまり明石署元地域官と被告人との間に共同正犯が成立するのか否かについての審理を先行し、その審理が終了した段階で免訴判決が下せたはずです。

 

裁判所は、刑事裁判で責任の所在を明らかにしたいという起訴議決に配慮したのかもしれません。

でも、刑事裁判を被害者遺族の溜飲を下げるための”劇場”にすべきではありません。

事実の究明や責任の所在の明確化は、被告人に対して適正な刑罰を科するという刑事裁判の目的の範囲内で行われるべきです。

 

結局は免訴になったり無罪になったりするのに市民感情によって強制的に起訴され必要以上の審理を受けさせられる――強制起訴制度は、被告人とされる者に対する配慮が抜け落ちているような気がしてなりません。

(横井盛也)

 

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連続ドラマW 「下町ロケット」(全5話)

その特許がなければロケットは飛ばない…。

原作は、池井戸潤の直木賞受賞作「下町ロケット」。これをWOWOWがドラマ化したレンタルDVDを見ました。

 

宇宙科学開発機構を追われた研究者・佃航平(三上博史)が亡父の跡を継いだ下町の町工場「つくだ製作所」が最先端特許と従業員の職人技を武器にロケット打上げに成功するまでを描いたドラマです。

倒産の危機に瀕した町工場が団結力と技術に対する誇りで様々な苦境を打破し、壮大な夢を実現させる展開に人間の持つ熱いエネルギーを感じました。

特許訴訟の法廷シーンが実際とは全く異なるなど粗削りな演出も目に付きましたが、全体の出来の良さからすれば取るに足りないものというべきでしょう。

 

海外に生産拠点を移す企業が多数にのぼり、かつての「モノづくり大国」は、深刻な状況に陥っています。

生産拠点の海外移転は、それ自体国内での雇用機会を喪失させるとともに海外労働市場との競争により非正規労働者を増加させます。

当然のことながら国内消費は抑制され、日本経済に大きなダメージを与えます。

 

産業空洞化の原因として、日本の高い法人税率や賃金コスト、厳しい環境規制などが指摘されています。

町工場の衰退は、日本の底力の衰退です。

早急に法人税の引下げを行うべきだと思います。

 

「モノづくりのパワーを再認識する必要がある」――そんなことを考えさせてくれる良質のドラマでした。

(横井盛也)

 

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日本国憲法改正について 2

現行憲法は、改正手続のハードルが余りに高すぎます。

現在ないし将来の国民の意思が憲法制定当時の(形式的な)国民の意思によって不当に厳しく縛られている弊害を正しく認識すべきです。

さしあたって96条の改正を目指すことは、理にかなったことだと思います。

 

確かに、憲法は国の基本法であり頻繁に変わるようでは、政治も社会も安定しませんし、基本的人権の尊重や民主主義といった普遍的な理念は、改正にはなじみません。

 

しかし、現行憲法を唯一最高のものと絶対視するのは、権威主義的な発想であり、信仰にも似た思考停止状態というほかありません。

自由な議論を戦わせ、不断に選択され続けられるものこそが真に守るべき価値なのであり、不合理な心情から議論自体を放棄すべきではありません。

現代のことは現代の世代が、将来のことは将来の世代が責任をもって議論して判断するという仕組みを作るべきです。

 

改正手続のハードルが高すぎることから、すでに多くの「解釈改憲」が行われ、憲法空洞化の問題が発生しています。

 

例えば、現行憲法33条には「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となってゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。」とありますが、刑事訴訟法で「緊急逮捕」が認められています。

これについては、「事後とはいえ、逮捕に接着した時期において逮捕状が発せられる限り、逮捕手続全体としてみるときは、逮捕状に基づくものということができる」といったこじつけの解釈で違憲ではないとされています。

憲法33条の素直な解釈からは、現行犯逮捕と令状逮捕しか読み取れないにもかかわらず、制度として必要な緊急逮捕を無理矢理の解釈によって認めているのです。

 

また、現行憲法89条は「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と定めています。

素直に読めば、私立学校や慈善・博愛の団体の助成のために税金を支出することは禁止されているということになりそうです。

でも助成は現に行われていますし、今後も行われるべきです。

これについては、私立学校振興助成法を作って「所管官庁の管轄に服しているから公の支配に属している」という形をとったり、社会福祉法人等を作って間接的に支援したりといった姑息な手段を使って税金を支出する根拠にして憲法問題を回避しているのです。

 

憲法の不備や欠陥をこじつけの解釈や姑息な手段で補うのではなく、条文を改正して現実の問題に正面から対応すべきだと思います。

(横井盛也)

 

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「刑弁情報43号」-冤罪事件の事例報告

「被害者の頭部をコンクリートブロックで殴りつけ重傷を負わせた傷害事件で、目撃者こそが真犯人であり虚偽の供述をしている可能性が否定できないとして、被告人の犯人性を否定し無罪を言い渡した事例」

 

大阪弁護士会刑事弁護委員会が編集発行し、会員に配布する内輪の情報誌「刑弁情報43号」(43~47頁)に私が担当して無罪判決を得た事件の事例報告が掲載されました。当ブログでも紹介したことのある事件です。

 

検察側の立証は完璧に思われたのですが、悉く反証することに成功した奇跡のような事件でした。

裁判所は、書証に頼らない審理を目指して多くの証人を採用し、異例の現場検証まで行ってくれました。

真実を見抜こうとする裁判所の姿勢が強く印象に残る事件でした。

判決では、「Aあるいはその場にいたAの友人であるBやCが真犯人であり、Aが自分の責任を免れるため、又はBやCをかばって、虚偽の供述をしている可能性も否定できない。」とまで踏み込んだ判示をしています。

なお、AやBは検察側の証人です。

 

無実の被告人が無罪判決を得ることは当然のことのはずですが、いったん起訴されてしまうと冤罪を晴らすことは至難の業であることを実感した事件でもありました。

 

国家賠償請求訴訟も大詰めを迎えています。

捜査検事のみならず公判検事の過失が認められるのか否か、検察官が公判前整理手続で開示した証拠を国賠訴訟で使用することが目的外使用にあたるのか否か(刑訴法281条の4)といった従来にない争点についても新たな判例を作ろうと奮闘しています。

 

やりがいのある仕事に巡り合えたことに感謝です。

(横井盛也)

 

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