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弁護士の日記帳

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高校球児を虐待から救え――WCBに学ぶべきこと

第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表「侍ジャパン」は、オランダを16-4で下し、準決勝進出を決めました。

台湾との接戦を制した勢いに乗ったのでしょう。

さすがはプロ野球各球団からエースや中軸打者を選りすぐった精鋭チームです。

爆発したら手の施しようがありません。

この勢いで頂点を極めてもらいたいものです。

 

ところで、WBCを見ていて感心したのは、投手の投球数を制限するルールの合理性です。

≪ファーストラウンドでは65球まで、セカンドラウンドは80球まで、決勝ラウンドは95球までを原則とする。ただし、制限投球数が打席の途中である場合は、その打席が完了するまでは投球できる。50球以上の投球である場合は中4日以上、30球以上又は2試合連投の場合は中1日以上の間隔をあけること≫

とされています。

また、延長戦については、

≪12回終了時に同点の場合は、13回以降はノーアウト1塁、2塁から始める≫とされています。

プレーする選手にも観戦するファンにも配慮したルールだと思います。

 

高校野球も少しはWBCに学ぶべきです。

チームの勝利のためにエースが連投しへとへとになって力尽きる姿は、見ていて気の毒です。

特に夏の大会。うだるような暑さの中で地方予選を全力で戦い、灼熱の甲子園で100球も150球も全力投球させられる球児の健康が心配です。

エース投手の活躍に頼るのではなく、何人もの継投で勝利を目指す方が高校生の大会として健康的です。

高野連は、複数の投手の継投を勧めているようですが、非科学的な精神論は捨てて、投球数の制限を明確にルール化すべきだと思います。

(横井盛也)

 

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BS朝日ドラマ「家族法廷」(全10話)

≪史上初!? 裁判官のホームドラマ 法廷では、厳格な法の番人、しかし家では…???≫

ドラマのキャッチコピーです。

 

2011年4月から6月にかけてBS朝日で全国放映されていたようです。

気が向いたときにTSUTAYAに行き、気が向いたDVDを借りるという中で出会った逸品です。

各話とも2回程度は大笑いし、少なくとも1回は涙することができる感動のホームドラマです。

 

裁判官の小野寺達彦(長塚京三)は、家でも書斎にこもって裁判記録を読み込む堅物。

結婚して40年間、家族のことは妻に任せっきりだったのですが、妻の死をきっかけに知らなかった様々な家族の問題に直面します。

3世代7人が同居するにぎやかで一見バラバラな大家族。

裁判長として、もとい家長として、次々とあらわれる難題を解決することができるのでしょうか?

 

快刀乱麻に事件を解決する敏腕裁判長・小野寺達彦が、法廷とは勝手の違う家族の問題に悩み、実直に苦闘する様は、微笑ましく心から応援したくなります。

住み込みの美人家政婦・奥村冴子(ミムラ)のさりげなくもピリッと効いた心配りがストーリーを絶妙に盛り上げています。

非の打ちどころのない脚本とキャスティングだと思います。

 

家族の問題をコミカルに描いたコメディードラマとしても家族愛を描いたヒューマンドラマとしても楽しめる作品です。

(横井盛也)

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所得税や法人税から消費税へ

悪戦苦闘の末、所得税の確定申告書を完成させました。

売上げが伸びてホッと一息ですが、毎年、変動の激しさに一喜一憂です。

弁護士は収入の見通しを立てづらいのです。

次は売上げが上がるのか下がるのか。God knowsです。

 

国の租税収入にも同じような事情があります。

所得税と法人税は国の税収の約半分を占める大切な財源なのですが、景気の動向に左右されやすく歳入は一定しません。

景気が悪化すると企業の儲けが減少し法人税収が減り、企業は支出を抑えるために給与を引き下げ、雇用調整を行うので個人の所得が減り、所得税も減収となるといった悪循環に陥るのです。

 

法人税は、平成20年度以降、リーマンショック後の景気低迷から税収が落ち込んだままです。

国内法人のうち、利益を計上して法人税を納めているのは3割程度で、残りの約7割は欠損法人です。

グローバル化に対応し国際競争力を強化する観点からも思い切って法人税の税率を引き下げるべきです。

国内消費を活性化させるために所得税率も引き下げるべきです。

 

多額の財政赤字を抱え、高齢化に伴う社会保障費の増加が見込まれる中、プライマリーバランスを改善し、景気に左右されない安定した歳入を確保する必要があり、消費税の増税は避けられません。

今後、何らかの増税が必要となりますが、消費税はいたってシンプルかつ公平な税です。

法人税や所得税から消費税へ。直間比率の是正が急務です。

 

日本の消費税率5%は、諸外国(イギリス20%、フランス19.6%、ドイツで19%など欧州はたいていの国が20%程度です。デンマークやスウェーデンなどは25%です。アメリカは州によってバラバラ)と比べてもかなり低く抑えられてきました。

政治家が目先の選挙で有権者の顔色を伺い、正論を主張してこなかったツケが回ってきているのだと思います。

 

消費税増税の議論においては、所得が低いほど消費全体に占める生活必需品の割合が高くなるため消費税の負担が重くなるといった逆進性の問題がよく指摘されますが、食料品等の生活必需品には軽減税率を適用するなどの方法で対処が可能です。

また、所得税の累進課税制度のような所得再分配機能が働かない点については、雇用創出や雇用安定への取り組み等のセーフティーネットの充実で対応すべきです。

 

確かに、消費税増税によって消費が冷え込んだり、市場の流通通貨量が減少したりする懸念はありますが、どんな税を上げても起こりうることですし、法人税や所得税の大幅減税と抱き合わせにすることで解決できるはずです。

 

将来を展望してやるべきことをやる。これが将来に対する責任だと思います。

(横井盛也)

 

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日弁連の弁護士不祥事対策に効果はあるのか?

事務所にFAXされてくる日弁連ニュースのNo.285に「弁護士不祥事対策の取組について」という記事が掲載されています。

それによると、日弁連は弁護士不祥事発生防止策を講じるべく鋭意取り組んでおり、2月15日の理事会では、全単位弁護士会に対して、①会内規定の整備(懲戒請求手続を迅速に行えるようにする規定等)、②制度の運用改善、強化(市民窓口担当者の研修の実施等)、③その他諸施策の検討・取組の着手(研修強化等)を要請したとのこと。

依頼者からの預り金を着服するという悪質な不祥事が続いたことから、非行の早期探知のため、弁護士会が弁護士の預り金口座について調査する権限を強化する方向で話を進めているようです。

 

小手先の改革や研修をすれば問題解決が図れると考えているようですが、問題の根はもっともっと深いところにあるような気がしてなりません。

 

破産法は破産手続開始によって破産者に懲罰的効果を及ぼすことを避けていますが、委任契約のように当事者間の高度の信頼関係を基礎とする契約は、一方が破産手続開始決定を受けることにより終了するものとされています(民法653条2号)。

また、各種の法令において政策的目的から破産者に関して様々な資格制限を設けています。弁護士(弁護士法7条5号)、公認会計士(会計士法4条4号)などの資格です。

弁護士が破産手続開始決定を受け未だ復権(破産法255条以下)していないときは、弁護士の資格を得ることはできませんし、また資格を得ている者は、その資格を失うことになっているのです。

他人の財産の管理に関与する職業として財産管理能力に問題がある者を排除する趣旨の規定とされています。

 

弁護士登録者数は、平成15年には約1万9500人でしたが平成24年11月末には約3万2000人と急激に増加しました。

訴訟等案件や弁護士に対するニーズが増えていないのに弁護士の数だけを無秩序に増やすこと自体が不祥事発生の温床です。

この点を根本的に改善しなければ、何らの解決にもならないように思います。

 

弁護士会は、莫大な借金を抱えて経済的に自立できない破産状態の者でも弁護士登録を認めるといった運用を行っているようです。

民法653条2号や弁護士法7条5号の趣旨を踏まえるのであれば、登録申込者に対して、破産状態にあるのか否か(資産と負債の関係)、報酬が得られる見込みがあるのか否か(事務所や企業等に就職できているのか否か)といった点を審査する必要があるはずです。

酷なことではありますが、民法653条2号や弁護士法7条5号の趣旨に反する場合には、弁護士登録を認めない厳格な運用を行うなど根本的なところから改めていかなければならないように思えるのです。

(横井盛也)

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