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弁護士の日記帳

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常軌を逸した弁護士会 - このままでは弁護士会自治は崩壊確実

Wer mit Ungeheuern kämpft, mag zusehn, dass er nicht dabei zum Ungeheuer wird.
「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ」
~フリードリヒ・ニーチェ(1844年 – 1900年)「善悪の彼岸」より~

 

大阪弁護士会が7月31日に予定している「安全保障関連法案反対!弁護士による納涼パレード」。
弁護士が浴衣を着て、「反対」などと書かれた短冊を吊るした七夕の笹を持って賑やかに町を練り歩くとのこと。
とても私にはついていけません。

 

横浜弁護士会が7月9日に行ったパレードの様子がユーチューブにアップされています。

マーチングバンドの演奏に合わせて弁護士が奇声を発しながら行進する様を通行人が冷笑しながら眺めているように感じます。

 

このような方法で大衆を扇動するのが弁護士会の役割なのでしょうか。
(横井盛也)

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弁護士会の独善 - 安保関連法案は戦争法案ではなく、戦争をしないための法案です

前回の当ブログについて、猪野亨弁護士(札幌)が
『どうしてこれが会員の思想信条の自由を侵害されるということになるのか、横井盛也氏の見解に疑問』
というタイトルでブログを書いておられます。
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-1420.html

その中で私は、「弁護士会の戦争法案反対の活動が個々の会員の思想・信条の自由を侵害すると主張されている弁護士」と紹介されているのですが、大きな誤解であり、恥辱です。
戦争法案であれば、私も反対するでしょう。
私は右翼でも国粋主義者でも民族主義者でもありません。
平和をこよなく愛するごく一般的な普通の弁護士です。
今回問題になっているのは、戦争法案ではなく、戦争をしないための安全保障関連法案です。

 

戦争をしないため、させないための方策について、唯一絶対の正解はありません。
あれば、戦争や国際紛争といった心配など全く不要です。
集団的自衛権によって、他国の戦争に巻き込まれると考えるのか、国際社会における責務を果たしながら強固な抑止力により戦争を事前に防止できると考えるのか、意見が割れて当然なのです。
自民党や公明党の弁護士でもある国会議員らは後者と考えているのであり、弁護士会員の中に同様の考え方をしている人は私以外にも多数いるはずです。

 

立憲主義の考え方についても、単に国家権力を縛るものと考えるのか、その前提として国家の平和的存立と国民の安全を守るという目的をも含めて考えるのか、単純に割り切れるものではありません。

弁護士会で一致するとすれば、平和をより確実にする法案が立憲主義に反するか否かについてではなく、平和を望むというただ一点にとどまるのだと思います。
弁護士会が安保法制のような統治行為論に属する高度に政治的な問題について、立憲主義に反するとして反対運動を行うことは、多様な意見を切り捨てた独善ではないかというのが私の意見です。

 

猪野弁護士はさらに『例えば、安倍政権打倒とかいうことになれば弁護士会での活動の領域外になりますが、戦争法案反対は、まさに弁護士会に与えられた責務です。』、『札幌弁護士会でも7月11日に戦争法案反対の集会を開催しますが、あくまで「安保立法」に反対するというものであり、集会では、「自民党打倒」のようなプラカードは主催者としてお断りとなっています。』と述べておられます。

 

しかしながら、日本共産党大阪府委員会のホームページ。
http://www.jcp-osaka.jp/osaka_now/2107
その記事や写真などから大阪弁護士会主催の集会が政治運動であり、特定政党の党勢拡大や自民党打倒の運動と密接に繋がっているのではないか、との印象を受けてしまうのです。
ますます弁護士会の発言力が弱まるとともに多くの国民の支持を失ってしまうのではないかと危惧するところです。
大衆運動は政党が行えばよいのであって、賛同する弁護士が自由に参加すればよいのです。

 

大阪弁護士会は7月31日にも「安全保障関連法案反対!弁護士による納涼パレード」を主催するようです。
チラシ(案)には、「理事者や憲法問題特別委員会委員が浴衣を着用します!また七夕の笹に短冊をつけて賑やかに練り歩きます!」とあり、「コールの方は、月亭可朝風やラッスンゴレライ風などを検討中」との情報にも接しています。
市民は、弁護士が浴衣を着て、七夕の笹を持ち賑やかに練り歩くことを期待しているのでしょうか。

 

大半の弁護士会員は、このような運動に無関心であるか、それより法曹人口の問題を何とかしてもらいたいと考えているのではないでしょうか。
(横井盛也)

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弁護士会による人権侵害 - 許されない暴挙

会報「月刊大阪弁護士会6月号」にスペシャルレポートとして、同月7日に扇町公園で行われた屋外集会「日本はどこに向かうのか パート3 ~なし崩しの海外派兵を許すな~」(大阪弁護士会主催、日弁連・近弁連共催)の模様が紹介されています。
弁護士や市民ら約4000人が参加したとのことで、参加者が「アカン」と書かれた揃いの紙を一斉に掲げている場面や「集団的自衛権行使容認 反対‼ 大阪弁護士会」と大書された横断幕を持って大通りをデモ行進する場面のカラー写真までもが掲載されています。

 

記事の中には、「いうまでもなく弁護士会は強制加入団体であり、安保法制に対しては会員の間にも様々な意見があるところであるが、閣議決定による解釈改憲は立憲主義に反するという一点において、弁護士会は一致し、それに反対する行動に出たものである。冒頭、松葉知幸会長からそのことについて述べられた。」などといった記載もあります。

 

「閣議決定による解釈改憲は立憲主義に反するという一点において、弁護士会は一致」??―― 寝ぼけたことを言うものではありません。
少なくとも私はそのような意見には与しておらず、
甚だしい誤解による人権蹂躙で激しい精神的苦痛を受けています。
弁護士会員でもある国会議員として現在、自由民主党には高村正彦副総裁、谷垣禎一幹事長ら15人、公明党にも山口那津男代表ら11人がいますが、彼らも今般の閣議決定が立憲主義に反するという意見で一致しているというのでしょうか。

 

立憲主義といえば国家権力を縛るものという単純な考え方をする人も多いのですが、一義的なものではなく、その基底には国家の平和的存続と国民の安全を守るという前提があるのであって、かかる前提との兼ね合いを無視してまで国家権力を縛るものではないというのが私の意見です。

 

個人の意見はどのようなものであっても内心の自由として最大限に尊重されるべきです。
集会は弁護士会ではなく、同じ志を持つ有志が主催すべきです。
いうまでもなく弁護士会は強制加入団体なのです。
統治行為論にも属するような高度に政治的な問題において個人の信条と異なる見解を会員に強要することは断じてすべきではありません。
自分の意見と異なる運動のために弁護士会費が使われていることが苦痛でなりません。

 

少数意見(とは決して思いませんが…)を蹂躙する暴挙であり、人権侵害というほかありません。
(横井盛也)

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『裁判に尊厳を懸ける-勇気ある人びとの軌跡』(大川真郎著・日本評論社・1700円)

世の中の不条理に鋭く切り込む社会的に意義のある事件。
弁護士なら誰しもそんな事件に関わってみたいと考えるに違いありません。

 

本書は大阪弁護士会副会長、日弁連事務総長などを歴任した重鎮・大川真郎弁護士が社会的に大きな影響を与えた7つの事件について、ともに闘った事件の当事者にスポットを当てて振り返った回想録です。
かなり古い事件ばかりなのですが、先達の労苦によっていかに現在の我々が報われているかを実感させられます。

 

例えば杉山弁護士接見妨害事件。
刑事訴訟法の教科書や判例百選で学んだあの事件です。
刑訴法39条3項は、捜査のため必要があるときは、接見の日時、場所及び時間を指定することができるとしたうえで、その指定が被疑者の防禦権を不当に制限するようなものであってはならないと定めています。
捜査権と接見交通権との調整を目指すこの条文を巡って、なるべく外界から遮断した状態で被疑者の取調べをしたいと考える捜査機関と接見交通権は被疑者の防禦に関する基本的権利で安易な指定は許されないとする弁護人との間で激しく争われた事件です。
最高裁判決(昭和53年7月10日)は、被疑者の接見交通権が憲法34条前段の保障に由来すると述べ、「弁護人等から接見の申出があったときは、原則として何時でも接見の機会を与えなければならず、指定による制限は、現に被疑者を取調べ中であるとか、実況見分、検証等に立ち会わせる必要がある等捜査の中断による支障が顕著な場合に限られ、またその場合も、弁護人等と協議して速やかな接見のための日時を指定すべき」と当時としては画期的な判決を下します。
教科書や判例百選等で学ぶのはだいたいこんなところです。

 

しかし本書は、そんな表面的な解説ではありません。
3人の被疑者と計30分間の接見をするために11時間もかけなればならなかったような当時の実態、一般的指定書や面会切符の要求などといった制度や運用を打破するために立ち上がった弁護士らの奮闘ぶりや労苦が実際に関わった者にしかなしえない迫真性をもって語られています。

 

私は未だ捜査機関の接見妨害など経験したことはありません。
一般的指定書とか面会切符といった言葉は今では死語です。
逆に警察署から「被疑者が接見を希望していますよ」といった連絡が頻繁に入ったりして、「また~?」、「毎日やん」といった具合です。
条文は素っ気ないものです。
その解釈によって運用は如何様にも変わるのです。
条文に魂を吹き込むための闘い、その一過程を疑似体験できる好著です。

 

このほか四日市公害訴訟、豊島産業廃棄物不法投棄事件など社会にインパクトを与えた事件の当事者が抱いた苦悩や勇敢な闘いぶりが生き生きと描かれています。

 

著者がはしがきで引用する19世紀のドイツの法律家イェーリングの名著「権利のための闘争」の言葉、

「自己の権利を守ることによって法一般が守られ、法一般が守られることによって自己の権利が守られる」は真理を突いています。
(横井盛也)

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強い弱いは関係ない。とにかく阪神を応援するのが大阪人 - でも本当に優勝するかも

大阪人がこよなく愛する阪神タイガース。
打撃は低迷、投手陣もピリッとしない日々が続いていたのですが、交流戦では強敵揃いのパ・リーグに勝ち越し、6月29日現在、セ・リーグの首位です。
36勝33敗1分ながら2位巨人とは2ゲーム差、6位中日とは6ゲーム差。
暗黒時代は遠い昔のことです。
今年は本当に優勝するかも知れません。)^o^(

 

それにしても不思議な首位です。
6球団の中で、得点は最も少なく、失点は最も多いのです。
打率も防御率も盗塁数も最下位。
最も点を取られているうえに、打てない、守れない、走れないチームなのだから6位かと思いきや、これがなぜか首位なのです。
勝負の世界は気迫と根性! データなどあてにならないのです。

 

大阪人が応援する球団が阪神なのではなく、阪神を応援するのが大阪人。
年に何回かは事務所総出で甲子園球場ライトスタンドに行き、声をからしています。
球団創設80周年の今年こそ優勝や!
たのんまっせ、和田はん。
(横井盛也)

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