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「18782(嫌な奴)」+「18782(嫌な奴)」=「37564(皆殺し)」の波紋――過剰反応では?

小学4年生の算数で、「嫌な奴(18782)と嫌な奴(18782)を足すと皆殺し(37564)になる」との語呂合わせを使って電卓の使い方を教えた女性教諭が保護者の通報で問題となり、市教委の調査を受けた上、保護者説明会を開いて謝罪する、というニュースがネット等でちょっとした話題になっています。
「18782」で検索すると様々な記事やブログがヒットします。

 

発端となった新聞記事がこちら、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151119-00005278-kana-l14
http://www.sankei.com/life/news/151120/lif1511200019-n1.html

 

記事によると、ある保護者は「嫌なやつは殺してしまえとも取れる内容で、昨今のいじめ問題にも反する授業だ」と憤り、市教委は「命の大切さを伝える教育に取り組む中で、不適切な指導方法」としているとか。
女性教諭は「数字に興味を持ってもらうため扱ったが反省している」と話しているようです。

 

家で「皆殺し」、「皆殺し」とはしゃいでいるのを聞いた保護者が県教委に通報したのが発覚のきっかけとのことです。
褒められた話ではありませんが、目くじらを立てて問題にするようなものなのでしょうか。
この語呂合わせでいじめが起こるとは思えませんし、命の大切さを否定する弊害が生じるとも思えないのです。
この教諭が日頃から問題発言を繰り返していたというなら話は別ですし、もっといい語呂合わせがあればよかったとは思いますが、子どもが「おっ、面白い」と興味を持ち、家に帰っても無邪気に「皆殺し~」とはしゃぐほど電卓に興味を持ったのであれば、この授業、大いに教育効果があったのではないでしょうか。

 

それより、保護者が県教委にクレームをつけ、県教委から連絡を受けた市教委が教諭の調査を行い、学校が保護者説明会まで開いて謝罪することの弊害の方がはるかに大きいと思います。
「ある一人の保護者の理不尽なクレームに県教委と市教委が怖気づき僕たちの大好きな先生が保護者の前で謝罪させられた」と感じる子がいたとしたら、それこそ昨今のいじめ問題に反する教育効果しか生まないのではないでしょうか。

 

世にはびこるモンスター・クレーマー(=ターゲットを見つけるや相手の人権などお構いなしに屈服させるまで攻撃を続ける。正論らしい論理を振りかざし、自分は正義と確信しているので扱いに困る場合が多い)。
これを根絶するとともに子どもたちをその予備軍にしないためのバランスの取れた人権教育が望まれます。
(横井盛也)

 

PS
理系じゃなくても知りたくなる!!“数学・数字に関するトリビア”
http://matome.naver.jp/odai/2133531406924321201
↑↑こちらもどうぞ。↑↑

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TBS日曜劇場「下町ロケット」(全10話)

昨年秋から年末にかけて高視聴率を叩きだしたTBSの連続ドラマ。
言わずと知れた池井戸潤原作の巨大エンターテイメントです。
深く感動したことは言うまでもありません。
ドラマ評はネットを繰ればいくらでも出てきますので、そちらに任せます。

 

私が特段に感じ入ったのは、アジア医科大学心臓外科部長・貴船恒広を演じる世良公則と帝国重工宇宙航空部長・財前道生を演じる吉川晃司の2人が醸し出す得も言えぬ貫禄です。

 

世良公則といえば、日本においてロックを初めてメジャーに押し上げた「世良公則&ツイスト」(改名して「ツイスト」、その後解散)のリードギター兼リードボーカル。
昭和52年、スターの登竜門として多くのミュージシャンや名曲を生み出していたヤマハポピュラーソングコンテスト(-我々の世代で「ポプコン」を知らぬ者はいない。中島みゆきやチャゲ&飛鳥もポプコン出身-)で「あんたのバラード」がグランプリを獲得するや「宿無し」、「銃爪 (ひきがね)」、「燃えろいい女」などヒット曲を連発し、大ブレークします。
スタンドマイクを自在に振り回し、激しいリズムとワイルドなメロディーを切り裂く重量感のある野太いハスキーボイス。
「おいらは宿無し、お前~には♪」、
「今夜こそ~お前を落として見せ~る♪」、
「眩しすぎる~お前との出会い♪」
当時中学生で自称「数年後のミュージシャン」の私が9歳年上の世良にヒリヒリしなかったはずはありません。

 

吉川晃司といえば、昭和59年のデビュー曲「モニカ」が強烈でした。
今風に言えば、超々イケメン。若い女性ファンを虜にした二枚目中の二枚目。
当時風采の上がらない疲れた浪人生だった私が1歳年下の彼に嫉妬心を抱かなかったなんてことはあり得ません。
ちょうどこのころ、中学時代から続けてきた芸能オタクを卒業しているので、その後の活躍については全く知りません。

 

私の中の世良公則は中学時代のカッコいい兄ちゃん、吉川晃司は浪人時代の二枚目アイドルのままだったのです。
下町ロケットを見るまでは-。

 

世良公則は、出世のためなら手段を選ばない老練な大学教授を見事に演じきっています。
部下を叱りつける場面では凄みを感じますし、切り捨てる場面では近寄りがたさを見せつけます。
絶対に上司にしたくない怖さが滲み出ています。

 

吉川晃司は、大企業の部長が板についていました。
常に冷静沈着。的確な判断力と確固とした信念を持ち、内に秘めた情熱で難局を打開する理想の幹部です。
部下に責任を押し付けようとする主任に対して、「これがわが帝国重工の技術か…恥を知れ」と叱責する場面でも爽やかさは失っていませんし、佃の夢に共感し「全責任は私が取る」と勇気ある決断をする場面では、持前の二枚目が感動を倍増させるのです。

 

カッコいい兄ちゃん、二枚目アイドルも今や大学教授と大企業幹部。
時代の流れを感じます。
果たして、ほぼ同世代の私は?
年齢相応の貫禄を備えるべくまだまだ努力が必要。
今年最大の目標です。
(横井盛也)

 

PS

「下町ロケット」は何年か前にもWOWOWでドラマ化されています。↓ それについての当ブログはこちらです。↓

http://www.law-yokoi.com/blog/?p=646

 

池井戸潤原作の「ルーズヴェルト・ゲーム」についての当ブログはこちらです。

http://www.law-yokoi.com/blog/?p=1156

 

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