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「我が闘争」 ヒトラー著 

 ナチスドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー(1889-1945)の著作として世界的に知られる「我が闘争」(Mein Kampf)。

新聞の国際面の目立たない記事によると、ドイツ政府は、連邦議会において、著作権保護期間が切れる2015年末以降も出版を禁止する意向を示したとのことです。

ドイツ国内で出版が禁止されていたことを知り、驚きました。

 

日本なら現行憲法で「集会、結社及び出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」(21条1項)、「学問の自由は、これを保障する」(23条)と定められており、いかに危険な思想が表明されていようが、そのことを理由に出版を規制することはできないはずです。

もちろん「我が闘争」も角川文庫の翻訳版で読むことができます。

 

 ドイツでは、第2次世界大戦後、ナチスを擁護する表現自体が憲法や刑法で規制されました。

そうでもしなければ、独立国家として再起できなかったであろうことは容易に理解できます。

 

しかし、未だにドイツ国内では、公衆の面前でナチスの歌を歌うことやシンボルのハーケンクロイツを示威することは犯罪なのです。

「我が闘争」はヒトラーがミュンヘン一揆の失敗により投獄中に執筆し、政権をとる8年前の1925年に発表されたナチスのバイブルであり、アーリア人の人種的優越を主張して激烈に反ユダヤ主義を説くなど独特な国家観を示した扇動の書です。

今となっては、極限に置かれたときの人間の思考原理や国家の行動原理を知る上で貴重な史料と思うのですが、戦後70年を経過してなお出版禁止とは。

ドイツには表現の自由や学問の自由の保障がないのでしょうか。

ドイツは、未だに第三帝国の再来を恐れているのでしょうか。

 外国のことをあれこれ言うのも何なのですが、「ナチスは悪だから絶対に復活させてはならない。」といった固定観念にとらわれて過ぎているように思えてなりません。

 

日本でも戦前をすべて否定するような歴史観が語られることは珍しくありません。逆に戦前を美化する言説も見られます。

言論に対しては言論で対抗すべきであり、言論自体を否定すべきではないと思います。

思想信条の自由、表現の自由、学問の自由は、最大限に尊重されなければならない人類普遍の大切な権利だと改めて感じた次第です。

(横井盛也)

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